正月一日朝、西宝車保存会のお囃子一行が本堂前でお神楽を上げてくれます。本尊の阿弥陀如来様ではなく、そのすぐ横に祀られている「半僧坊」という神様に奉納するためです。その昔は境内地の東南の隅に半僧坊を祀る小堂宇があり、村のお囃子はその小堂宇に向けて上げられたとのことです。それを半僧坊打ち込みと言ったそうです。昭和19年の地震でその堂宇が壊れてからは、本堂内に祀られるようになりました。お囃子は正月のほか春の祭礼、夏のおたちくさんの時にも奉納されます。上の写真はおたちくさんの時のものです。

春 涅槃会 旧暦二月十五日はお釈迦様の亡くなられた日です。釈迦涅槃の図を本堂の壁に掛けてお祀りします。この日はまた涅槃団子をお供えしてお参りの方々にお渡しします。涅槃団子は延命地蔵堂にもお供えします。  

ご正当    三月二十一日は弘法大師空海の亡くなった日です。日本の仏教史上空海ほど広く 知られた僧侶はいません。旧暦で西用寺でも茶菓の接待をしています。真言宗以外の寺院でも弘法大師像をお祀りしている所は多いと思います。当寺は浄土宗であるにかかわらず大小・新旧とりまぜ3体の大師像が安置されています。

灌仏会  お釈迦様のご生誕を祝う行事です。花祭り、甘茶とも言われています。誕生日の旧暦四月八日、上の写真のように延命地蔵堂に花御堂を置いて屋根の下に甘茶で満たした桶をおき、その中へ据えた釈迦の誕生仏へ、お参りの方々に小さな柄杓で甘茶を掬ってかけてもらいます。

お釈迦様は誕生と同時に7歩進んで「天上天下唯我独尊」と言われたそうです。灌仏会はお釈迦様から御利益をいただく行事です。

九万九千日(四観音)  この日に四カ所の観音様にお参りすると九万九千日分お参りした御利益を受けることができるといわれています。かつては旧暦7月9日に紐につるした提灯に火をいれていましたが、今では月遅れの8月9日に行っています。この後の棚経、盆施餓鬼も月遅れで勤めています。

棚経  盆の間それぞれの家にもどってくるご先祖様の供養のため檀家さん一軒一軒の家を回ってお経をあげる行事です。昔はご先祖様のために屋敷の庭に精霊棚を設けて位牌・生花・線香・食事その他の飾り物を供えて、その前でお勤めをしたことから「棚経」と言われています。現在では仏壇の前で勤めています。丁寧に祀れば祀るほどご先祖様からの御加護が篤い大きいと言われます。

盆施餓鬼   生前むさぼりの心がひどかった人、卑しい行為をしていた人が餓鬼道に落ちると言われています。餓鬼世界では食べ物や飲み物が口に入らず常に飢えている人たちで満ち満ちています。盆施餓鬼ではお参りする人のご先祖様はもちろんのこと、苦しんでいる一般の餓鬼たちをも一緒に供養をして、自分の徳を高めようとします。

地蔵菩薩の供養 年間を通して毎月23日に延命地蔵堂で地蔵菩薩の逮夜供養のお勤めをしています。摩訶般若波羅密多心経および延命地蔵経か地蔵和讃を上げて、当日お参りの方々や・御膳料を上げられた方々の無病息災、家内安全、所願成就等をお地蔵様へ祈願します。