この頃思うことども 8
衆議院議員の総選挙からずいぶん月日がたちました。2021年10月30日投票、定員465名で争われた選挙です。投票締め切りの午後8時になると待ち構えていたかのように、テレビ局の当落予報が始まりました。開票が始まる前から当選とか当選確実を発表するのはどうかとも思いますが結果を早く知りたいのが人情、毎回楽しみにして見ています。
当確予報はさすが天下のNHK、他の民放局にくらべて正確でかつ情報が早いと思っていますのでいつもNHKを見ています。選挙速報が始まった8時過ぎ、NHKの自民党の当選者予測は212~253名、対する野党第一党、立憲民主党の予測は99~141名でした。事前の電話による意向調査、当日の投票所出口での聞き取り調査、各地記者の情勢判断などを総合しての数字ということで、アナウンサーの語調は自信満々のように受け取れました。小選挙区と比例区両方がある上に全国規模の選挙で予想もなかなか難しかったかもしれません。しかし自民党、立憲民主党とも当選者数の幅が広すぎるというのが印象に残りました。
開票はおそらく午後9時頃から始まったと思われますが、この時点でNHKはすでに多くの当確者を打ち出していました。開票の一部が判明してくるとともに当選・当確者数はどんどん増えてきました。民法各局の報道もNHKと同様に当選者数・当確者数や候補者の選挙事務所の風景を写していました。
さて年末に近づいた頃,ある週刊誌が各テレビ局の総選挙当日の当選者数の予測数字を特集していました。日テレNNNは238,114。テレ朝ANNは243,113。TBSJNNは239,115。テレ東TXNは240,110。フジFNNは230,130。NHKは212~253、99~141。とのことです。始めの数字が自民党の当選者予測数、後の数字が立憲民主党の当選者予測数です。(あとの政党の予測数は省きました。)
どのテレビ局もいままでの経験と統計的手法で割り出した数字で自局の予想がドンピシャリ、少なくともニアピン賞だと考えていたのではと推察します。夜12時近くまで見ていましたが小選挙区の開票と後回しになる比例代表区の開票もあり各地選管の発表する当確者数はかんたんには伸びませんでした。当選者数に大きな幅を持たせたNHKはこの頃でも自局の予想に自信満々でした。 翌日になって確定した当選者数は自民党が261名、立憲民主党は96名です。自民党の大勝利、立憲民主党の惨敗といっていいと思います。当選者数に40名もの幅を持たせたNHKも大はずれでした。在京5社のテレビ局もすべて討ち死にの感です。
各社ともそれまでの何回もの選挙経験を積み重ねてきた結果の予測数字だったはずですが、すべてはずれてしまったのはどうしてでしょうか?マスコミ各社が世の中の潮流の変化についていけなかったから、というのはいいすぎでしょうか。 折しも今日は参議院議員の選挙の初日にあたります。下馬評では分裂気味の野党の混迷を追い風にして?与党の大勝利がうわさされています、どんな結果になるでしょうか?